5時25分、ニュースの森放送開始、
お立ち台横に据えられたモニターに富山テレビの夕方の顔、
男女キャスターが映し出される。
・・・鼓動・・・
ツインは緊張の静寂に包まれた…
「みなさんスタートしていいですよ〜」
絡まないよう、スタートはてんでばらばら。
「わたしは今、滑川市にありますラジコンサーキットに来ております〜。」
レポーターの女の子が声を張り上げる。本番だ!
「現在ラジコンレースが行われております」
コース上にはバギーとミニ、そして人形が乗ったATV・・・
・・・どこの世界にそんなルール無用のアグレッシブなレースがあるのか?
操縦台の皆の胸の内をよそに中継は続く
まさかの悲劇はその直後起こった。
「だーっバッテリー入ってねえ!」
なんということか!衝撃の罠がいきなり師匠に襲いかかった。
ツイン最速のB3はその活動を終えた。実にスタート後数cm・・・
モミー憤死。師匠の5分間が終わった。。。
< 家政婦は見た >
おっす!モミーです。
やってはいけない事をやってしまいました。がはは!
TVスタッフに「皆さんきちんと充電しておいて下さいね!」
と、念を押されていたにもかかわらず・・・
華麗なジャンプを披露し、お茶の間はモミーのB3に釘付けになるはず
だった予定が・・・
中継本番早々、鳥煮餓死てしまいました(^_^;)
おっす!
残されたものにとって、師匠の死の意味は大きい。
これで映る確率1/5から1/4に・・・
だが
驚いたことに、師匠は相変わらず目に見えないマシンを
操っているではないか。それはまさに動死体<ゾンビ>状態。
操縦のフリをしてまで操縦台にとどまるその執念には脱帽だ
しかし、今重要なのは走り続けるという事なのだ。
かくなる上は、師匠の分まで勤めさせていただくのみ。
ストレートに向かうジャンプを駆け抜けんとするミニ号!理想的ラインだ!
アプローチも決まった!乗れている!
この勝負もらった(謎)
「・・ではさっそくインタビューしてみたいと思いま〜す☆
良くこのコースには来るんですかぁ〜☆」
ひょ〜ほっほ・・・は?
ズガッ!・・
しまった!
予想より早い直撃インタビューに動揺し
フェンスに直撃するミニ号。
緊急事態発生!
しかしマーシャル役のスタッフからは完全に死角だ!
とりあえず救出を待ち、あたかも操縦しているように取り繕う。
・・・よりによって師弟してやらかしてしまうとは・・・
AORc北陸史上最悪の不祥事に私の心は揺れ動いた。
そんな私の内面も知らず、屈託のない語り口でレポーター嬢のインタビューは尚も続く。
「どんなとこが楽しいですかぁ〜☆」
「や、やっぱ〜自分の好きな車が思い通りに走ることですね〜」
どこかのHPにも書いてある持論をブチ上げながらも
私のミニ号は走ってなどいない。相変わらずコースの果てでフェンスに刺さったままだ。
不自然にコースをさまよう視線。
このまま救出されることもなく虚しく終わってしまうのか・・・!?
クッ・・こんなところで・・・
こんなところで死ねるかぁあ!!!
< 家政婦は見た >
おっす!モミーです。
インタビューに応じるniCの声は、明らかに動揺を隠せないでいました。
がはは!おっす!
カメラが去ると同時にササクラ君に救助要請!ほいきたとばかりに
つついてくれる赤いB3。大感謝!
不死鳥のように復活し、固定カメラの待つジャンプ台へ。
・・・ウイーンム・・・
復活むなしく、よりによってジャンプ台頂上、固定カメラの目の前でスタック。
頭の中はすでに真っ白だ。しかし今度はすぐにマーシャル(笑)到着!
あとは着実に周回を重ねるのみ!もうミスは許されない。残り時間は僅かだ。
固定カメラにいやらしく寄りつつミニを走らせる。今度は異常に乗れている。
よぉ〜しよし、そぉ〜だぁ・・・ナ〜イスですねぇ・・・
極度の緊張状態から解放され、脳内麻薬物質は過飽和状態。
笑顔から真顔に戻らない・・・すでに単なるあぶないヤツだ。(^_^;)
トランス状態で涅槃の境地をさまよい続けた私は、実はその後の出来事をあまり覚えていない。
なんかみんなでエイエイオーとか言って右腕を突き出したような気もするがさだかではない。
どうも、止め絵となった画面に生津江さん作ではないかと思われる
かなりキツメのキメ台詞のテロップが大写しになったのを合図に撮影は終わったようだ。
「お疲れ様でした〜」
こうして我々の5分は幕を閉じた。
気がつけば、おぐっちゃん主任から申し渡されていた
チョギンダーも、AORcバッグ大写しも出来なかった。
県民にRCフリークいまだ健在をアピールできたことだけは確かだが
色々やらかしてしまい、嘲笑されてるかもしれない。
だがしかし、今回の撮影でひとつ個人的に再確認した事がある。
レベルやスタンスはどうだろうが、なにを走らせていようが
なにが起きようが、RCレースは絶対に楽しい!
ということである。
こればっかりはやってみないと分からないけれど。ね。みなさん。 |